かりるーむ株式会社

2019-03-23 中国は空前の猫ブーム、その影で残酷な仕打ちを受け犠牲になる命

中国ではブームが過ぎると犬や猫は食用に 稀少犬に見る富裕層の身勝手さ written
by スペクトル(CW)

■中国では空前の猫ブーム、その影で行われる残酷な仕打ち

今、中国は犬ブームに続き、空前の猫ブームとなっているそうで、このままペット市場が成長すれば、2020年には中国がアメリカに次ぐ、ペット大国となると予想されているそうです。このような背景には、世帯の所得が全体的に高まったことや、少子高齢化で独身の人が増え、都市部に住む人が多くなり、猫が飼いやすいということも要因だとされています。特に若者は猫を飼う人がとても多いのだそうです。
このような、猫ブームが起きている中国ですが、その裏で、現代では考えられないような目的や残酷な方法で、猫達を虐待し、殺しているという現実があります。
中国ではスッポンなどと同じように、犬もそうですが猫を食用として食べることが認められ、特に中国の広東省などの地域が有名です。それも食べるものがないから仕方なくではなく、ただ薬膳のような効果が期待できると言われているからとか、あるいは珍味として出せば店が儲かるからといった理由でこの生き物達は殺されているのです。次の見出しからは信じがたく、目を背けたくなるような事実ですが、現実に行われている中国での猫への仕打ちです。

■盗まれた飼い猫は食用になるために捕えられていた

2018年、中国の動物福祉団体が375匹の猫達を助け出しました。この猫達は食用にするために飼っている人の目を盗んで連れてこられたということです。動物保護団体は、元々、いなくなった猫を探す過程でこの場所を見つけ、そこが食用にするための猫の屠殺所になっていたということです。ここでは1つの檻に10匹以上の猫が押し込められるように入れられていて、そこら中に屠殺された猫のものと思われる皮などが散らばっていたそうです。
中国の広東、広西、海南、湖南、江西などの地域では、猫を食用として食べる文化があり、この猫達はおそらくそのような料理店に売られるためにここに盗まれて来たのではないかと考えられています。中国のこのような地域では龍虎闘というスープがあり、これは蛇と猫の肉を使ったスープであり、また、活煮猫という、この記事内でも内容を具体的に書くことがはばかられるほど残酷な料理が存在しています。また、同じように犬もたくさんの個体が食用になっており、中国では毎年400万匹の猫、1000万頭の犬が食用になっているのです。このような犬や猫の中には飼われた個体が盗まれてきただけでなく、一時のペットブームで需要が増えたものの、それが過ぎ去った結果、業者が持て余して、このような料理店に売るというケースもあります。それが大型犬のチベタンマスティフの例です。

■マスティフ犬はブームでもてはやされ、最後は食用に

チベタンマスティフは成長すると体重100kgにもなる大型犬で、あの歴史上の人物、チンギス・ハンも戦争に勝つために飼育していたとされる犬です。このチベタンマスティフは、餌を大量に食べ、数が少なく稀少で高価だったため、昔は僧侶や一部の支配階級のみが飼うことができた犬だったそうです。
そんなチベタンマスティフが何年か前、中国の富裕層を中心に人気となり、値段が高騰、一時は、数百万円から数億円で取引されるまでになったことがありました。
しかし、このチベタンマスティフが幼い少女を襲い、死亡させるという事件が起きてからは人気が急落、買い手がつかなくなった業者は次々にこのマスティフ犬達を食肉業者に売渡しました。また、捨てられたマスティフ犬が野犬になり、地元の人の生活に危険をおよぼしたり、野生動物を捕食したり、家畜を襲ったりして問題になっています。このように人々に今や危害を加える恐れさえあるマスティフ犬ですが、元々、この犬は体が大きく、きちんとしつけないと凶暴な部分もあるため、しつけが甘いなら、急に人に襲いかかったりしない所で飼育しなくてはならないのです。それを中国の富裕な人達は、人気があるからといって、狭い人との接触が多い都市部で無理に飼おうとしたのです。つまり、人間がこの犬を知識もそれほどないのにブームだからといって飼おうとしたのが、事件の要因でもあるのです。

■日本はうかつにブームにのらないでほしい

もちろん、中国にも動物に優しい人がたくさんいますし、ペットとして飼育しても可愛がってきちんと飼ってくれるケースも、もちろんあります。ただ、現実として中国では物だけでなく、生き物も急に人気になり、その後、価値が落ち、悲惨な末路になるというケースが多いのです。いくら値段が高く売れるからといって、このような現実がある地域に無責任に動物を売るのは悲劇の可能性を増やすことになるのではないでしょうか。日本のペット業界や業者にはこのような一時的ブームに振り回されず、きちんとした責任感のある飼い主とペットの出会いを作る姿勢を持ち続けてほしいと願ってやみません。

参考
http://japan.techinsight.jp/2018/12/maumi12121257.html
http://withnews.jp/article/f0160612001qq000000000000000W02310301qq000013465A
http://premium.toyokeizai.net/articles/-/19175

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