世界中で年間、1~3兆匹が漁業により殺されています。
養殖場の魚はこの1/5とも半分とも言われています。
にもかかわらず、魚が人道的に扱われるために必要である魚の福祉に関する法律を持つ国はありません。
ペットをはじめ哺乳類と比較して、魚の苦しみはずっと置き去りにされてきました。
まな板の上で切り刻まれる魚は、体の一部を失ってもなお、逃れようと必死でのた打ち回ります。
それでも人間が苦しみを与え殺す動物は、傷みを感じない存在でいてくれた方が都合がいいのです。
しかし世界中で海洋魚の乱獲が進み、水産資源の減少が問題視されるようになるにつれ、十数年ほど前から魚は傷みに対して犬や人間といった哺乳類と同じような反応を返し、魚も傷みを感じるのだ、という科学者の研究結果がメディアで取り上げられるようになりました。
お陰で「魚には痛覚がない」という一昔前の常識は、過去のものになりつつあります。
「トロール漁業」は海底に沈めた網を船で引っ張り、入ったもの全て引き上げます。
フットボールのフィールドほどの広さがある大きな網を何時間も引きずるため、海底の環境を著しく破壊し生態系に多大なダメージを与えます。
網にかかった魚は、他の魚の重さで押しつぶされて圧死するか、甲板で呼吸ができず窒息死します。
深海から引き上げられて減圧で浮き袋が破裂します。
網の中には海亀、サメ、エイ、鳥、アザラシ、イルカなどが混じっています。
「流し網漁」で使用する網は壁のような網で、そこへターゲットの魚が頭を突っ込むと抜けない大きさの網目になっています。
捕らえられた魚は息ができず、逃れようとしてパニックになって暴れ、網が体に食い込み皮膚が切れます。
その状態で何時間あるいは何日も放置されることもあります。
大きな魚は尖ったフックを頭に突き刺して、船上へ引き上げます。
魚の問題は漁業の他にも、養殖、釣り、水族館、観賞用ペットなどがありますが、ここでは割愛します。
魚の倫理的な問題だけでなく、人間も魚介類を食べることで健康被害が懸念されています。
水銀は胎児の神経発達に影響を与えるほか、心疾患、難聴、失明などの病気を引き起こします。
4匹に1匹の魚が、人体に安全とされる基準量を超えた水銀を含んでいるそうです。
厚生省は妊婦にむけて、水銀量が多いと思われる魚の摂取量を控えるように呼びかけています。
日本は世界でも指折りの魚の消費量が多い国です。
どのような方法で捕らえようと、卓上で切り身にされたその魚は、傷みを感じる陸上の動物と変わらないのだという認識を持たなくてはいけません。
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犬と同じ「魚だって痛い!!」 年間1~3兆匹、漁業の倫理的問題点について by chickpea(CW)
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